日本財団 図書館


 

この時にグループの規則を作る委員会と一緒になってもいいのですが、規則は出来るだけ簡単にしたほうがいいと思います。実は私もこの規則を作る委員会と一緒になって考えました時に、最初は難しくややこしい規則になってしまい失敗をした事があります。出来るだけ単純にやさしくした方がいいと思います。
この第2のステップをもう少し詳しく成功の秘訣ということで話してみます。タイムダラーを行政が取り入れた場合、成功しているケースが少ないようです。私が体験した部分では、市民がタイムダラーを取り入れて市民の手で作り運営をしていき、それを行政がサポートをする。つまり下から上に上ったアイデアの方が成功している率が多いような気が致します。このことは市民1人ひとりのアイデアがタイムダラーのプログラムに反映されているからだと思います。
市民の手でシンプルに、それもフレキシブルに。規則というのは常に変えていかないといけないものですから、フレキシブルにしなやかに対応出来るもの、そして活動は楽しんでするものだと思います。
企業、行政にはそのような市民の活動を陰でサポートして頂く方が成功しております。
企業の社長などもマイアミではボランティアをしているのですが、その活動は子ども達とオフタイムに一緒に野球をするとか、それから銀行の場合では、銀行でどんな仕事があるかという事を実際に子ども達に1週間くらい入行してもらい業務を見てもらう。このような事もボランティアの1つです。
(3)予算書の作成
次に必要な第3のステップが予算をきちんと獲得するという事です。一応、地域の財団や企業に出す予算書は、3年間の活動を予算申請書にきちんと書きます。予算を書く場合には、ボランティア事業を経営していくために「一体どれくらいのお金が必要だろうか」というプロの目で予算をお考えになって下さい。「私は主婦だから」と言われましてもボランティアの部分では皆さんがプロになり得る素質を持っていらっしゃるわけです。ボランティアをするには3年間どれくらいの予算が必要か、という事を提示していきます。
この予算を書く時のステップが2つありまして、1つは現実的な予算を提示する事。2つ目は、3年後にプログラムが終わった時にどんな効果が出ているかをはっきり書く事です。行政にどんなメリットがあるか、企業にとってはどんなメリットがあるか、市民にとってどんなメリットがあるか、という事をきっちりと書きます。
●タイムダラーのもたらす効果
それでは、タイムダラーがどのような効果を世の中にもたらすか、という事をお話しします。
先ず今まで利用者だった人が、一緒に生産をする人になり得ます。タイムダラーの中ではお互いの才能をやり取りするので、今までボランティアをしていた人達も一方的なボランティアではなくて、クレジット(点数)をもらい利用者にもなれます。一方的なボランティアは私はチャリティだと思います。それに引き換え双方向性のタイムダラーでは、今まで利用者としてレッテルを貼られていた、例えば寝たきりのお年寄り、車椅子に乗っていた人達、それから障害者の人達、ハンディキャップの人達、このような人達が依存者で

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION